停止とオーバースピードを検知する セーフティリレーユニット PSR-MM30 のご紹介

セーフティリレーユニット PSR-MM30 は、近接センサ、エンコーダ接続により、停止とオーバースピードを検知します。本製品の特長は、次の通りです。

  • 2チャネル過速度セーフティリレーおよび停止検知用セーフティリレー
  • HTL、TTL、またはサイン/コサインエンコーダならびに近接センサの接続に最適
  • 幅広いモーションセンサに対応
  • 無料でダウンロード可能な 「PSRmotion ソフトウェア」 を用いて、簡単なパラメータ設定およびオンライン監視が可能
  • 全幅 22.5mm の狭小サイズ
  • 強制ガイドリレー接点、パラメータ設定可能な信号出力
  • 標準USBポート(マイクロUSB Type-B)
  • EN ISO 13849-1に準拠でCat. 4/PL eまで、IEC 62061に準拠のSIL 3、IEC 61508に準拠のSIL 3 に適合

本内容は、英文製品データシートを元に作成した、日本語版の簡易説明資料です。記述の間違いについては、免責とさせていただきます。詳細は、英文製品データシートを参照お願いいたします。

製品の構造

  • セーフティリレーユニットは、幅22.5mmのME-MAXハウジングとCOMBICON端子台で構成されています
  • セーフティリレーユニットには、次の2種類の端子台バージョンがあります
  • 接続の割り当て 端子台の接続割当に関する情報は、セーフティリレーユニットの前面に記載されています
  • フロントカバーの下にマイクロUSBポート(Type-B)があり、PC に接続して、設定データの編集、ダウンロード、アップロード、診断表示ができます
  • セーフティリレーユニットの下部に、エンコーダ接続用RJ45ポートがあります
  • LEDインジケータ
    • PWR:  動作電圧表示
    • OUT1:  電流パス13/14のステータスインジケータ
    • OUT2:  電流パス23/24のステータスインジケータ
図1. PSR-MM30 概観図

制御ブロック

セーフティリレーユニットの入出力

  • A1:   24V DC電源
  • A2:   GND
  • MO1/MO2:  信号出力(パラメータ化可能)
  • IN1/IN2:  近接センサの入力
  • MI1/MI2:  モニタ入力
  • I1/I2/I3:  動作モード入力
  • S34:   リセット入力
  • PWR LED:  電源表示
  • OUT1 LED:  電流パス13/14のステータスインジケータ
  • OUT2 LED:  電流パス23/24のステータスインジケータ
  • USB:  PCに接続してパラメータ化するためのUSBポート
  • Encoder:  エンコーダを接続するためのRJ45インタフェース
  • 13/14:   速度監視の安全出力(N/O 2点、即断)
  • 23/24:     停止監視の安全出力(N/O 2点、オフディレイあり)
図2. PSR-MM30 制御ブロック図

近接センサの入力(IN1/IN2)

  • 24V 3線 PNPセンサをサポート
  • 入力電圧: 24V
  • カットオフ周波数: 2kHz
  • 取付け要件:
    • 歯の幅 > 歯と歯の隙間
    • 歯の幅 > 近接センサ径
    • ギャップ深さ > 近接センサ動作距離
    • a(歯と近接センサの距離) ≦ 0.5 x 近接センサの動作距離
図3. 近接センサの取付け

モニタ入力(MI1/MI2)

  • 入力(On)があると、オーバースピード監視が 「無効」 になります
  • この入力は、次のオプションがあります
    • 機械式ドアスイッチ
    • セーフティコントローラのデジタル出力
    • スイッチ
  • MI1/MI2の状態は同じでなければなりません
    • MI1/MI2の両方が On から、どちらかが On→Off になったら監視 「有効」
    • MI1/MI2の両方が Off から、どちらかが Off→On になったら監視 「無効」
図4. モニタ入力例

動作モード入力(I1/I2/I3)

  • 動作モード入力を制御することで、PSRmotion設定ソフトウェアでパラメータ化された動作モードを選択します
  • この入力は、次のオプションがあります
    • 24V DC定電圧入力
    • OSSD信号入力
  • 通常、一度に1つの動作モード入力のみを制御することができます
  • 動作中に動作モード入力の間で切り換えることが可能です
表1. モニタ入力と動作モードによるデバイスの動作状態

エンコーダ(RJ45)

  • エンコーダの接続には、RJ45入力をサポート
  • エンコーダには、セーフティエンコーダを使用してください
  • RJ45入力は、エンコーダ、リニアエンコーダにのみ接続可能です

レゾルバエンコーダ、イーサネット には接続できません

  • エンコーダは、4入力(作動)のみ使用できます
  • 入力電圧: 1 Vpp,5V TTL and24V HTL
  • カットオフ周波数: 400 kHz, 250 kHz
図5. エンコーダ接続

PSRソフトウェア

  • PSR-MM30セーフティリレーの設定には、PSRmotionソフトウェアを使用します
  • ソフトウェアをインストールするPCの要求仕様は次の通りです
  • Windows 10 (32/64bit), HDD: Min. 1 GB, メモリ: Min. 2 GB
  • CPU: Min. 1.6 GHz, USBインタフェース
  • ソフトウェアは、以下の PSR-MM30 の製品ホームページで、ダウンロード > ソフトウェア から、「PSRmotion….exe」 をPCにダウンロードしてください
  • ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、メッセージに従ってPCにインストールしてください
図6. PSRmotion ソフトウェア

PCとPSR-MM30の接続(USB接続)

  • PCとPSR-MM30間の通信接続には、USBインタフェースを使用します。市販のケーブルをご利用いただけます。接続は、PC側 – USB Type A、 PSR-MM30側 – micro USB Type B となります。
  • USBケーブル製品: CAB-USB A/MICRO USB B/2,0M (2701626)
図7. USBケーブルの接続(micro USB Type B)

PSRmotion ソフトウェアのユーザインタフェース

  • 初期画面
    • ①Settings: 表示言語の選択(ドイツ語/英語)
    • ②Hardware Selection: PSR-MM30のボタンをクリック
  • 設定画面
    • ①Navigation area:設定項目のタブ(Parameterization/Diagnosis/Interface/File/Help)
    • ②Tab bar:“Device parameterization” の設定項目タブ
    • ③Action area:PSR-MM30へのパラメータの読み書き
    • ④Editor area:各種パラメータの入力
図8. PSRmotion ソフトウェア ユーザインタフェース
  • 診断画面
    • 画面左の 「Diagnosis」 タブをクリック
    • 「Start」 ボタンをクリックしてオンライン診断開始
  • 画面操作・表示
    • ①オンライン診断の起動・停止(「Start」/「Stop」 ボタン)
    • ②モータ動作状態表示
      • 青線:実周波数(Hz)
      • 赤線:しきい値(fmin, fmax、Hz)
    • ③入出力のステータス表示
図9. PSRmotion ソフトウェア 診断画面

使用例

①2台の近接センサによるオーバースピード検知例

②エンコーダによるオーバースピード検知例

①2台の近接センサによるオーバースピード検知例

  • モータ実速度を測定するために、エンコーダがRJ45でセーフティリレーに接続されています
  • 動作モード入力I1/I2/I3は、機械の異なる動作モードに対して、3つのオーバースピードしきい値でパラメータ化されます
  • 動作モードは、セーフティコントローラを介して動作モードを選択します
  • セーフティリレーモジュールがオーバースピードを検出すると、電流経路13/14がオープンして、モータは強制ガイド付きコンタクタ(K5、K6)で停止します
  • Cat 3、PL d(EN ISO 13849-1)、SIL2(EN 62061)まで適合
図10. PSR-MM30 適用例①(2台の近接センサによるオーバースピード検知例)

②エンコーダによるオーバースピード検知例

  • §モータ実速度を測定するために、エンコーダがRJ45でセーフティリレーに接続されています
  • 動作モード入力I1/I2/I3は、機械の異なる動作モードに対して、3つのオーバースピードしきい値でパラメータ化されます
  • §動作モードは、セーフティコントローラを介して動作モードを選択します
  • セーフティリレーモジュールがオーバースピードを検出すると、電流経路13/14がオープンして、モータは強制ガイド付きコンタクタ(K5、K6)で停止します
  • Cat 4, PL e (EN ISO 13849-1), SIL 3 (EN 62061)まで対応可能
図11. PSR-MM30 適用例②(エンコーダによるオーバースピード検知例)

まとめ

近接センサ、エンコーダ接続により、停止とオーバースピードを検知する、セーフティリレーユニット PSR-MM30 について概要をご紹介しました。詳細仕様については、弊社の製品ホームページ(ねじ端子台 PSR-MM30-…-SC(2702357)、Push-in端子台   PSR-MM30-…-SP(2702358))より英文詳細マニュアル(ダウンロード > アニュアル)を参照してください。

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