EW50 マルチキャリア対応SIMの通信キャリア手動切替方法

マルチキャリア対応SIMのキャリア手動切替方法

 4G/LTE ルータを使用して、遠隔地にある機械、設備にリモートアクセスして、機械や設備の運転状態の遠隔監視、制御プログラムのリモートメンテナンスに利用する事例が増えてきています。その場合、モバイルネットワークに対して、通信のリンク切れや、通信データの欠損がなく、「確実に通信できる」ことが求められます。IoT機器は、あらゆる場所に設置されることが想定されるため、山間部やへき地はもとより、都市部でもちょっとした設置位置の違いで接続が不安定になることがあります。その際は、より接続の良いキャリアに変更するために設置したデバイス分だけSIMカードが必要となり、SIMカードの開通や廃止、通信量の管理などに手間がかかることになります。

 最近では、このようなニーズに対応するために、1枚のSIMカードでマルチキャリアに対応しているものが提供されています。SIMカードがマルチキャリアに対応することで、山間部、地下街での利用などでより通信の安定した通信キャリアに切り替えて使用することで、サービスエリアを補完することができます。また、通信キャリア毎の契約が不要のため、デバイスとSIMカードをセットで一元管理することが可能となります。

 フエニックス・コンタクトの 4G/LTEルータ EW50 は、このようなマルチキャリア対応のSIMカードに対応して、通信キャリアを手動切替をすることができます。ここでは、その方法について説明します。

目次

SIMカードの通信キャリア接続方法の設定

 始めに、EW50 が指定した通信キャリアの信号に手動で接続する機能を有効にします。

① [Basic Network] > [WAN & Uplink] > [Connection Setup] タブに画面遷移

図1.1 画面遷移

② [Connection with SIM-A/B Card] の設定項目で、[Roaming] のチェックボックスをON

図1.2 Roaming の設定

③ [3G/4G Connection Common Configuration] の設定項目で、[Connection Control] リストボックスで「Connect Manually」を設定

図1.3 Connection Control の設定

EW50周辺の通信キャリア基地局信号の検索

 次に、EW50 を設置した周辺の通信キャリアの基地局をスキャンします。

① [Service] > [Cellular Toolkit] > [Network Scan] タブに画面遷移

② [Scan Approach] を [Manually] に設定

③ 赤い枠で表示された [Scan] ボタンを使用して周辺のキャリア信号を検索

※ スキャン全体のプロセスには1〜3分かかることがあります。スキャン完了後に選択可能なキャリア信号がリスト表示されます

④ 希望のキャリア名を右側の [Action] で選択し、[Apply] ボタンをクリック

図2.1 EW50を設置した周辺の通信キャリア基地局をスキャン

通信キャリア接続方法と接続確認

 さらに、EW50 が指定した通信キャリアに接続します。

① [Status] > [Basic Network] > [WAN & Uplink] タブに画面遷移

② 図3.1 の [2] で、EW50 が現在接続している通信キャリア信号を表示

③ 図3.1 の [3] で、Connect ボタンをクリックすることで選択した通信キャリアに接続

図3.1 通信キャリアの接続確認

まとめ

 フエニックス・コンタクトの 4G/LTEルータ EW50 は、マルチキャリア対応のSIMカードに対応して、通信キャリアを手動切替方法について説明しました。

 最後に、マルチキャリア対応SIMカードを提供しているプロバイダ様(2023年8月 現在)を以下にご紹介します。

① SORACOM 様 IoT SIM(EW50適用実績あり)

 詳細URL: https://soracom.jp/store/s_category/sim/

② NTTPC 様 IoT/M2M向けモバイルSIM(マルチキャリアタイプ)

 詳細URL: https://www.nttpc.co.jp/sim/service/multi_carrier_sim/index.html

  • URLをコピーしました!
目次