センサレスでオーバースピードを検知する セーフティリレーユニット PSR-MM35 のご紹介

セーフティリレーユニット PSR-MM35 は、センサレスでオーバースピードを検知します。本製品の特長は、次の通りです。

  • 安全機能を統合し、SLS(安全制限速度)、SSM(安全速度監視)、SSR(安全速度範囲)で、最低速度、最高速度、速度範囲を監視
  • 無償でダウンロードできる 「PSRmotion ソフトウェア」 によって、簡単にパラメータ設定とオンライン診断が可能
  • 全幅 12.5mm の狭小サイズ
  • 強制ガイドリレー接点出力、スタート入力、補助出力
  • 標準USBポート(マイクロUSB Type-B)
  • Cat.EN ISO 13849-1 に準拠した Cat.4/PL e および EN 62061 に準拠した SIL 3 に適合

本内容は、英文製品データシートを元に作成した、日本語版の簡易説明資料です。記述の間違いについては、免責とさせていただきます。詳細は、英文製品データシートを参照お願いいたします。

製品の概要

  • セーフティリレーユニットは、幅12.5mmのME-MAXハウジングとCOMBICONプラグイン接続端子台で構成されています
  • セーフティリレーユニットには、次の2種類の端子台バージョンがあります
  • 接続の割り当て 端子台の接続割当に関する情報は、セーフティリレーユニットの前面に記載されています
  • フロントカバーの下にマイクロUSBポート(Type-B)があり、PC に接続して、設定データの編集、ダウンロード、アップロード、診断表示ができます
  • LEDインジケータ
    • PWR: 動作電圧表示
    • OUT: 電流パス13/14を有効にするためのステータスインジケータ
図1. PSR-MM35 概観図

制御ブロック

セーフティリレーユニットの入出力は、次の通りです。

  • L1/L2/L3:   測定入力
  • A1:   24V DC電源
  • A2:   GND
  • S34:   確認応答入力
  • 13/14:   安全出力(N/O 1点)
  • MO:   補助出力
図2. PSR-MM35 制御ブロック図

機能説明

セーフティリレーユニット PSR-MM35 の機能について説明します。セーフティリレーユニットは、モータ測定入力 L1,L2,L3 で,モータの回転磁界の周波数を測定します。パラメータ化された周波数(fmin,fmax)によって規定される、回転数の下限値、上限値を超えた時、またエラー発生時に、13/14間の回路が直ちに開放されます。PCとのインターフェースとして、標準的なマイクロUSBポートを搭載しており、「PSRmotion ソフトウェア」 によってパラメータ設定とオンライン診断が可能です。

①速度監視

①回転速度の上限値の監視

②モータ起動監視無し速度監視

③モータ起動監視あり速度監視

パラメータ設定

fmax(最大周波数)および fmin(最小周波数)パラメータは、監視するモータ速度の制限値を定義します。

  f [Hz] = (n [rpm] / 60) x NumberPole pairs

   例)5,000 rpm × 3極 / 60 = 250 [Hz]

※非同期モータは、モータ速度と回転磁界周波数の間に負荷に依存した 「滑り」 が発生するので、周波数(fmax と fmin)のパラメータ設定には、この 「滑り」 を考慮する必要があります。

②モータ起動監視無し速度監視

モータ回転数の昇速時:

  ①fmin+Hys を上回ったら、出力Off → On(手動時は、リセットOn 後)

  ②fmax を上回ったら、出力On → Off

モータ回転数の降速時:

  ③fmax – Hys を下回ったら、出力Off → On(手動時は、リセットOn 後)

  ④fmin を下回ったら、出力On → Off

図3. タイムチャート(モータ起動監視無し速度監視)

③モータ起動監視あり速度監視

起動監視時間 (tA、0~60秒): 以下の条件で tA 時間以内に、実周波数が最低周波数(fmin)以上でなければならない制限時間

  手動: 確認応答信号の立ち下がりエッジで起動監視時間スタート

  自動: 実際の周波数が1Hz以上で起動監視時間スタート

自動で監視開始:

  ①f > 1Hz の場合、起動監視時間 tA 開始

  ②起動監視時間が経過、f > fminとなり、有効電流経路は閉のまま

  ③f < fmin となり、有効電流経路が開

  ④f < 0.5 Hzの場合、イネーブル電流経路は閉

  ⑤f > 1 Hzの場合、起動監視時間開始

  ⑥起動監視時間が経過しても f < fmin で、有効電流経路は開

  ⑦最小シャットダウン時間外に目的の周波数に到達した。有効なカレントパスが閉

  ⑧最小シャットダウン時間内に所望の周波数に到達した。イネーブル電流経路は0.5秒後に閉

図4. タイムチャート(モータ起動監視あり速度監視)

使用例

①3相モータへの適用例

②単相モータへの適用例

③ゼロスピード検知セーフティリレーとの組合せ適用例

①3相モータへの適用例

  • 3相モータのオーバースピード監視
  • 以下の場合に出力接点13/14を有効にする:
    • 最小周波数の監視
    • 最大周波数の監視
  • 手動による監視開始
  • コンタクタK1/K2の監視
  • Cat.4/PL e (EN ISO 13849-1)、SIL 3(EN 62061)まで対応可能
図5. PSR-MM35 適用例①(3相モータへの適用)

②単相モータへの適用例

  • 単相モータのオーバースピード監視
  • 以下の場合に出力接点13/14を有効にする
    • 最小周波数の監視
    • 最大周波数の監視
  • 手動による監視開始
  • §コンタクタK1/K2の監視
  • Cat.4/PL e (EN ISO 13849-1)、SIL 3(EN 62061)まで対応可能
図6. PSR-MM35 適用例②(単相モータへの適用)

③ゼロスピード検知セーフティリレーとの組合せ適用例

  • 3相モータの速度監視
  • 速度インターロック装置
  • PSR-MM25 によるゼロスピード検知
  • PSR-MC30 によるセーフティドア監視
    • 手動による速度監視スタート
    • コンタクタ K1/K2 の監視
  • PSR-MM35 による回転数上限監視
    • 回転数上限を超えると出力接点有効
    • 手動による速度監視スタート
    • コンタクタ K1/K2 の監視
  • Cat.4/PL e (EN ISO 13849-1)、SIL 3(EN 62061)まで対応可能
図7. PSR-MM35 適用例③(ゼロスピード検知セーフティリレーとの組合せ監視の接続)

まとめ

センサレスでオーバースピードを検知する セーフティリレーユニット PSR-MM35 について概要をご紹介しました。詳細仕様については、弊社の製品ホームページ(ねじ端子台 PSR-MM35-…-SC(1249515)、Push-in端子台   PSR-MM35-…-SP(1249516))より英文詳細マニュアル(ダウンロード > アニュアル)を参照してください。

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