電力測定モジュール(AXL F PM EF 1F)

電力測定モジュールは、Axioline F ステーション内で使用するように設計されており、最大 5 A の AC 電流の直接測定に使用されます。これには、最大 400 V AC (線間電圧)、または最大 690 V AC (相間電圧) で計測可能です。
このモジュールは、AC 電力網の分析を実行するために使用され、配電システムで電流、電圧、電力を測定したり、歪みや高調波を検出したりするために使用できます。
電力測定モジュールは、次の2つの動作モードで使用できます。

■「RMS」モード:(Root Mean Square:二乗平均平方根)
モジュールは三相主電源の主電源変数を取得します。 主電源変数は、相電流、中性線電流、相および外部導体の電圧、有効電力、無効電力、皮相電力、および相の力率、エネルギーの流れの方向、および周波数です。
■「瞬時値」モード:
モジュールは測定信号の瞬時(スキャン)値を取得します。 この測定モードは、測定信号の波形を解析するために使用します。

ここでは、本製品の仕様、ハードウェア説明、接続方法、動作モード、プロセスデータについて説明します。

目次

製品の概要

  • 製品型式:  AXL F PM EF 1F
  • 製品番号:  2688433
  • I/O種類  : 電力測定モジュール
  • 入力点数: 1ch
  • 電流測定方式:   シグマ・デルタ方式
  • 電流測定レンジ:  AC 0~6A (定格5A)
  • スキャン周期 :  8k samples/sec
  • データ更新周期: < 500μsec
  • 電圧測定レンジ : AC 0V~400V (線間電圧)、 AC 0V~700V (相電圧)
  • 測定周波数レンジ:40~70 Hz
  • 保護等級:  IP20
  • 動作温度:  -25~60 ℃
  • 寸法 (WxHxD):  53.6 x 126.1 x 65.5 mm
  • 認証:    UL、cUL

図 1 製品外形

端子の割り当て

製品の端子の割り当ては、次の通りです。

図 2 製品の端子台の割り当て

製品のステータス表示

製品のステータス表示は、次の通りです。

図 3 ステータス表示

製品の接続方法

製品の接続方法は、次の4種類があります。

  1. スター構成の三相3線回路中性線電流測定あり)
  2. スター構成の三相3線回路中性線電流測定なし)
  3. デルタ構成の三相3線回路
  4. CT接続の三相3線回路

スター構成の三相3線回路中性線電流測定あり)

下図は、変流器を使用しない直接接続を示しています。中性線電流が測定されているため、INk と INl の間にブリッジは必要ありません。このため、IN1 電流出力と N の間にブリッジが必要です。

図 4 スター構成の三相3線回路(中性線電流測定あり)

スター構成の三相3線回路中性線電流測定なし)

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図 5 スター構成の三相3線回路(中性線電流測定なし)

デルタ構成の三相3線回路

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図 6 デルタ構成の三相3線回路

CT接続の三相3線回路

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図 7 接続の三相3線回路

動作モード

•モジュールは、以下の2つの動作モードで使用できます。

– RMSモード(基本測定値、電流および電圧の実効値)

– 瞬時モード(測定値のスキャン)

すべての値は 8k サンプル/秒のサンプリング レートでデータ収集します。電流信号と電圧信号はローパス フィルター (3.2 kHz) を通過して高調波を低減します。DC 成分を低減するハイパス フィルター (1.25 Hz) を備えています。フィルターは、精度 1% の場合は 589 ミリ秒、精度 0.1% の場合は 883 ミリ秒です。

図 8 動作モード

プロセスデータ

プロセスデータの表示内容は、パラメータによって設定できます。設定は、メッセージ通信で行います。(Ethernet/IP の場合は、Explicit通信で設定します)

図 9 プロセスデータ(設定パラメータ)

プロセスデータは、次の通りです。(32Word)

  • 電圧(L1/L2/L3)
  • 電流(L1/L2/L3/N)
  • 有効電力/電力量(L1/L2/L3)
  • 無効電力/電力量(L1/L2/L3)
  • 皮相電力/電力量(L1/L2/L3)

図 10 プロセスデータ

プロセスデータの例を、以下に示します。実際の読み取り値は、プロセスデータの値を 1,000 で除算することで得られます。 この結果は小数点以下 3 桁になります。次の表は、IN プロセス データ ワード (INT32) の値と各列の意味を示しています。

図 11 プロセスデータ(例)

まとめ

ここでは、電力測定モジュール(AXL F PM EF 1F)の仕様、取扱いについて説明しました。本製品をバスカプラに接続することによって、各種産業用イーサネットプロトコルで電力測定データを収集することが可能となります。

製品単体で電力測定をする場合には、Ethernet/IP、PROFINET、Modbus/TCP、Modbus/RTU、REST API に対応した多機能エネルギー計測ユニット EMpro の利用もご検討ください。

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