近接センサで速度と停止を監視する セーフティリレーユニット PSR-MM20 のご紹介

セーフティリレーユニット PSR-MM20 は、近接センサにより、速度と停止を監視します。
本製品の特長は、次の通りです。
- システムおよび機械の可動部の停止と速度を監視
- 3線式PNP近接センサ2個による速度監視
- EN ISO 13849-1 に準拠で Cat. 4/PL e まで、EN IEC 62061 に準拠の SIL 3、IEC 61508 に準拠の SIL 3 に適合
- ユニットのDIPスイッチとSETボタンで設定可能
- 0.5 Hz~315 Hzの範囲で個別に調整可能なスイッチング閾値設定
- 幅17.5 mmの薄型ハウジング
本内容は、英文製品データシートを元に作成した、日本語版の簡易説明資料です。記述の間違いについては、免責とさせていただきます。詳細は、英文製品データシートを参照お願いいたします。
目次
製品の構造
- セーフティリレーユニットは、幅17.5mmのME-MAXハウジングとCOMBICON端子台で構成されています
- セーフティリレーユニットには、次の2種類の端子台バージョンがあります
- COMBICON ねじ端子台 PSR-MM20-…-SC(2702374)
- (幅 x 高 x 奥 : 17.5 x 112.2 x 114.5 mm)
- COMBICON Push-in端子台 PSR-MM20-…-SP(2702375)
- (幅 x 高 x 奥 : 17.5 x 116.6 x 114.5 mm)
- COMBICON ねじ端子台 PSR-MM20-…-SC(2702374)
- 接続の割り当て 端子台の接続割当に関する情報は、セーフティリレーユニットの前面に記載されています
- セーフティリレーユニットの設定パラメータは、ユニット前面にあるDIPスイッチ、SETボタン、LED表示で設定します
- セーフティリレーユニットの動作状態、エラー状態は、セーフティリレーユニット前面のLED表示状態で確認できます

制御ブロック
セーフティリレーユニットの入出力
- A1: 24V DC電源
- A2: GND
- S1+: 近接センサ用保護電源 1
- IN1: 近接センサ1の入力
- GND: 近接センサの基準接地(A2と同じ)
- S2+: 近接センサ用保護電源 2
- IN2: 近接センサ2の入力
- S34: スタート回路
- AO+: アナログ信号出力(非安全)
- AO-: アナログ信号出力の基準接地
- MO: デジタル信号出力(非安全)
- 13/14: 停止監視の安全出力(N/O 2点、即断)
- 23/24: 停止監視の安全出力(N/O 2点、即断)

セーフティリレーユニットのLED表示、スイッチ、ボタン
- PWR: 電源LEDおよび設定インジケーター(赤、緑、オレンジ)
- M1: 構成インジケータ、LED(緑、オレンジ)
- M2: 構成インジケータ、LED(緑、オレンジ)
- IN1: センサ状態表示1および設定表示LED(緑、オレンジ)
- IN2: センサ状態表示2および設定表示LED(緑、オレンジ)
- OUT: 安全回路状態インジケータおよび構成インジケータ、LED(緑、オレンジ)
- DIPスイッチ: パラメータ設定用DIPスイッチ
- SETボタン: パラメータ設定用ボタン

近接センサ入力(IN1/IN2)
- 24V 3線 PNPセンサをサポート
- 入力電圧: 24V
- 最大周波数: 最大4 kHz(最小パルス幅:45 μs)
- 取付け要件:
- 歯の幅 > 歯と歯の隙間
- 歯の幅 > 近接センサ径
- ギャップ深さ > 近接センサ動作距離
- a(歯と近接センサの距離) ≦ 0.5 x 近接センサの動作距離

機能説明
セーフティリレーユニット PSR-MM20 の機能について説明します
- このセーフティリレーは、2つの近接センサ入力、手動または自動スタート、および非安全関連のデジタル出力とアナログ信号出力を各1つ備えた、ゼロスピード監視用セーフティリレーです
- セーフティリレーモジュールは、2つの近接センサで速度評価するために、2つの近接センサを入力IN1、IN2に接続します
- セーフティリレーモジュールは、設定した閾値と測定された周波数を比較します
- イネーブル電流パス13/14、23/24は、測定された周波数が設定した閾値に達するか、それを超えるか、エラー発生時にオフになります
- セーフティリレーモジュールの操作動作は、本体で設定可能です
- 設定は、本体のDIPスイッチとSETボタン、LEDインジケータで行います

パラメータ設定方法
- パラメータ設定は、セーフティリレーユニットの前面にある 「SET ボタン」 と 「4つのDIPスイッチ」 を使用します
- 設定は、SET ボタンを 2 秒以上押し、その後離すことで開始します
- 周波数レベルは、SET ボタンを数回押して設定します
- 周波数レベルは、2進数のカウント方法に基づいて、押すたびに増加します
- DIPスイッチで次の設定を行います:
- 周波数係数
- 近接センサタイプ
- 起動時の動作
- LEDは関連する設定状態を表示します
- 設定モードが開始されると、機器はまず設定された周波数レベルを橙色の点滅で設定状態を示します
- その後、対応するLEDが緑または赤に点灯すること(1秒)により、周波数係数、近接センサタイプ、および起動時の動作の設定を示します
- パラメータ設定する機器機能は、SETボタンまたはDIPスイッチの極(DP)とLEDインジケータに以下のように割り当てられます 設定終了は、SET ボタンを 2 秒以上押します

パラメータ設定テーブル
設定周波数、DIPスイッチとLEDの点灯状態の対応するパラメータ設定テーブルを以下に示します。


診断(ユニット状態)
セーフティリレーユニット PSR-MM20 の動作状態を示す、LEDの点灯状態を以下に示します。
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診断(エラー状態)
セーフティリレーユニット PSR-MM20 のエラー発生時の、LEDの点灯状態を以下に示します。
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アナログ信号出力(AO)
セーフティリレーユニット PSR-MM20 のアナログ出力状態(0~10.5 V)を以下に示します。

使用例
セーフティリレーユニット PSR-MM20 の使用例として、次の2つの事例を紹介します。
①2台の近接センサによる速度監視例
②セーフティリレー(PSR-MC30)と組合せたガードロック装置付きセーフティドアモニタ構成例
2台の近接センサによる速度監視例
- DIPスイッチ: S1: OFF、S2: OFF、S3: OFF、S4: OFF
- アプリケーション概要:
- モータの2チャンネル速度監視
- 近接センサタイプ:PNP
- マニュアル、モニタースタート
- 外部強制ガイド付きコンタクターのモニタリング
- 実現可能なパフォーマンスレベル
- Cat 4, PL e (EN ISO 13849-1), SIL 3 (EN IEC 62061)

(Cat 4, PL e (EN ISO 13849-1), SIL 3 (EN 62061)まで対応可能)
セーフティリレー(PSR-MC30)と組合せたガードロック装置付きセーフティドアモニタ構成例
- DIPスイッチ: S1: OFF、S2: OFF、S3: ON、S4: OFF
- アプリケーション概要:
- 2チャンネルの近接センサによるモータの停止監視
- 近接センサタイプ:PNP
- PSR-MM20:停止速度監視、ガードロック制御、オートスタート
- PSR-MC30:セーフティドア監視、手動スタート
- 外部強制ガイド付きコンタクターのモニタリング
- エラー防止が必要:
- ガードロックの機械部品
- ガードロッキング制御回路のクロス回路
- 実現可能なパフォーマンスレベル
- Cat 4, PL e (EN ISO 13849-1), SIL 3 (EN IEC 62061)

ガードロック装置付きセーフティドアモニタ構成例
(Cat 4, PL e (EN ISO 13849-1), SIL 3 (EN 62061)まで対応可能)
まとめ
近接センサにより、速度と停止を監視する、セーフティリレーユニット PSR-MM20 について概要をご紹介しました。
詳細仕様については、弊社の製品ホームページ(ねじ端子台 PSR-MM20-…-SC(2702374)、Push-in端子台 PSR-MM20-…-SP(2702375))より、英文詳細マニュアル(ダウンロード > マニュアル)を参照してください。