電子式サーキットブレーカ CAPAROC の Webサーバ表示手順

電子式サーキットブレーカシステム CAPAROC は、モジュール型過電流保護向けの電子式サーキットブレーカシステムです。ここでは、PROFINETインターフェースを持つ CAPAROC PM PN パワーモジュール(1110986)に標準実装されている CAPAROC 状態監視用 Webサーバ機能に関して、Webサーバ機能を有効にして、Webサーバへアクセスする方法について説明します。

特に、CAPAROC PM PN パワーモジュールのWebサーバ機能を有効にするには、一度 PROFINETインターフェースで本体にアクセスして、Webサーバ機能を有効にするパラメータである「Webserver enable/disable」「Enable」にする必要があります。そのためには、PLCnext を使用してコンフィグレーションファイル(GSDMLファイル)を読み込み「Webserver enable/disable」を ON にして PLCnext にダウンロードして実行することで、このパラメータを有効にすることができます。

この手順を以下に説明します。

図1. 電子式サーキットブレーカシステム CAPAROC

CAPAROC PM PN パワーモジュールは、工場出荷状態(デフォルト)で Webサーバ機能 は「停止状態」です。Webサーバ機能を有効にするには、PROFINETインターフェースで CAPAROC に接続して、Webサーバ機能を有効(「Webserver enable/disable」パラメータを「Enable」)にする必要があります。

目次

CAPAROC Webサーバ 表示設定方法

CAPAROCサーキットブレーカシステム(CAPAROC PM PN PROFINET)のWebサーバ機能は、デフォルトで「無効 (Disable)」になっています。Webサーバ機能を「有効」にするには、PROFINETでCAPAROCにアクセスして、機能を「有効」にする必要があります。Webサーバ機能を有効にしたら、事前に設定したCAPAROCのIPアドレスに対してブラウザでアクセスします。

図2. CAPAROC Webサーバ画面例

CAPAROC Webサーバは、システムの状態監視(モニタリングのみ)で使用します。CAPAROC の個々のパラメータは、PROFINET 経由でしか設定操作ができません。

以下に、PLCnext を使用した、Webサーバ機能の有効化の手順を説明します。

コンフィグレーションファイル(GSDMLファイル)をダウンロード

CAPAROCの 製品ページ からコンフィグレーションファイル(GSDMLファイル)をダウンロードします。コンフィグレーションファイルは、圧縮ファイル(ZIPファイル)になっているので解凍し、解凍ファイル((*) XMLファイル)を所望のフォルダにコピーします。

(*) XMLファイル名:GSDML-V2.35-Phoenix_Contact-CAPAROC_PM_PN-20210908.xml

図3. 製品ホームページのGSDMLファイル

GSDMLファイルを PLCnext Engineer にインポート

PLCnext Engineer のプロジェクトを開き、File>Import>Import GSDML File(s)を選択し、ダウンロードしたGSDMLファイルを インポート(上記ファイルを選択)します

図4. PLCnext Engineer へGDSMファイルをインポート

PLCnext をオンライン接続

PLCnext Engineer の PLANTエリアで、Project > axc-f-2152-1 にある、マークを右クリックして、「Connect / Disconnect」 を選択します。ポップアップウィンドウが表示されるので、PLCnext の ID、パスワードを入力してログインします。ログインすると、マークが青色になります。

図5. PLCnext Engineer を PLCnext にオンライン接続

CAPAROCのインスタンスをプロジェクトにインポート

PLCnext Engineer の COMPONENTSエリアの Network > Local > Devices > … > Modules に、 CAPAROCのインスタンス(CAPAROC PM PN)があるので、これを PLANTエリアの Profinet にドラッグアンドドロップします。

図6. CAPAROC インスタンスのインポート

CAPAROC のモジュール表示

PLCnext Engineer の PLANTエリアに、CAPAROC モジュール構成情報(パワーモジュール、サーキットブレーカモジュール)を表示します。

図7. CAPAROC モジュール構成情報表示

Webサーバの有効化

PLCnext Engineer の PLANTエリアの CAPAROC 情報の中の 「2. Global status and data」をダブルクリックします。次に、EDITエリアのウィンドウで、「Parameter」タブをクリックし、パラメータの中の「Webserver enable/disable」で、「Enable」を クリックします。

図8. CAPAROC Webサーバの有効化設定

PLCnext のプロジェクトをダウンロード

PLCnext Engineer の PLANTエリアで、Project > axc-f-2152-1 にあるマークを右クリックし、「Write and Start Project」を選択して、プロジェクトを PLCnext にダウンロードします。プロジェクト実行と同時に、CAPAROC の Webserver 機能が有効になります。

図9. PLCnext プロジェクトの実行

CAPAROC Webサーバ アクセス方法

PCブラウザ(Chrom、Edge、Firefox 等)から CAPAROC の IPアドレス(デフォルトのIPアドレス:192.168.1.2)を入力します。Webサーバの表示は、次の2つから構成されます。

  1. SystemInformation: CAPAROC 全体情報
  2. System Status:CAPAROC システム構成情報

CAPAROC Webサーバ 表示内容

System Information: CAPAROC 全体情報

  • CAPAROC 全体情報
    • 個体情報(メーカ名、製品名、製品番号、シリアル番号、HW/FW府バージョン)
    • ネットワーク情報(IPアドレス、ネットマスク、MACアドレス 他)
    • システムステータス(電源、バス接続、Profinet診断データ、デバイス状態)
  • QUINT全体情報( (*) CAPAROC 電源モジュールと通信接続されている場合のみ)

図10. CAPAROC Webサーバメイン画面(Chrome を使用)

System Status:CAPAROC システム構成情報

  • CAPAROC システムパラメータ
    • 入力電圧、トータル電流、最大電流、チャネルエラー 他
  • CAPAROC システムセットアップ
    • デバイス名、チャネル数、HW/FWバージョン、シリアル番号
  • CAPAROC プロセスデータ
    • チャネル毎: 使用電流、電流しきい値、チャネル状態、エラーカウンタ
  • QUINTシステムパラメータ
    • 入力電圧、入力周波数、出力電流、動作温度 他

図11. CAPAROC Webサーバ システム状態画面(Chrome を使用)

まとめ

電子式サーキットブレーカシステム CAPAROC の Webサーバ機能について説明しました。Webサーバ機能は、CAPAROC の状態監視(モニタリング)をするのみで、操作することはできません。CAPAROC を遠隔(リモート)で操作するためには、PROFINETインターフェースにより通信で設定する必要があります。

また、Ethernet/IPインターフェース対応の CAPAROC PM EIP – パワーモジュール(1393553) にも、Webサーバ機能が搭載される予定です。

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